シャドウズ・アンド・ライト[2007年01月20日(土)]
そして季節は めぐりめぐる
回転木馬は 上がって下がる
誰もがみな 時の囚われ人
引き返すことは できない
来たところを ただ振り返るだけ
めぐりめぐる サークルゲームのなかで
回転木馬は 上がって下がる
誰もがみな 時の囚われ人
引き返すことは できない
来たところを ただ振り返るだけ
めぐりめぐる サークルゲームのなかで
“The Circle Game”(拙訳)
「一期一会」という言葉があります。
なにか特別な時間をさすように思いがちですが、
よくよく考えてみれば、時間は巻き戻し不可能ですから、
本来は、すべての瞬間が「一期一会」のはずです。

DVDを買った翌日、マイケル・ブレッカーの訃報が飛び込んできました。
つまりステージにいる6人のうち、すでに3人は
この世の人ではないということです。
二度と観ることができないメンバーの邂逅という意味でも、
貴重な記録といえるでしょう。
ジャコ・パストリアスやパット・メセニー経由で、
この作品を知るファンも多いと思うのですが、
やはりジョニ・ミッチェルの存在感が際立っています。
フォーク系のシンガー&ソングライターとしてデビューしたかと思ったら、
ジャズに走ったり、ロックをやったり、ポップスに戻ったりと
次々と実験を重ねてきたように言われますが、
わたしはすこし違うような気がします。
彼女は一貫して彼女であって、つねにジョニ・スタイルなのです。
ジャズやロックに接近したのではなく、
じぶんの音楽世界にそれらを取り込んだという感じ。
商業的成功とは距離を置いたところで、
つくりたい良質なものだけをつくり続ける姿勢も
リスペクトされる理由のひとつだと思います。
彼女は昔から恋多き女性といわれてきましたが、
そういう“揺るぎのない部分”が
才能ある男たちを惹きつけてやまないのでしょう。

■シャドウズ・アンド・ライト[完全版]
出演:ジョニ・ミッチェル(vo/g)、ジャコ・パストリアス(b)、パット・メセニー(g)、ライル・メイズ(key)、マイケル・ブレッカー(ts)、ドン・アライアス(ds/perc)、パースエイジョンズ
収録時間:74分 コロムビアミュージックエンタテインメント 2,300円
ジョニはこのツアーをそれまでのジャズ路線の集大成とし、
次の『Wild Things Run Fast』以降、大きく方向転換します。
ライブ当時のミュージカル・ディレクターであり、
蜜月にあったジャコ・パストリアスとも別れてしまうので、
結果としてまさに「一期一会」のツアーになってしまいました。
人は渦中にあるとき、その時間がどんなに愛しく、
たいせつなものであるか、なかなか気づくことができません。
失ってみて初めて、あるいはずっと後になってから、
その価値にやっと気づくのです。
誰も過去に戻ることはできないけれど、
アーティストは作品として“瞬間”を残すことができます。
もう実現することのないライブを観ながら、
結局、「いま」を生ききることが、
瞬間を輝かせるのかもしれないと感じました。

* In France They Kiss On Main Street / Joni Mitchell
タイトルをクリックするとyoutubeに飛びます(音声が出ます)。
(フランスの恋人たち“Shadows and Light”・1980)
ひさしぶりに映像を観て感じたのは、とにかくみんな若い。
まあね、四半世紀前ですから当然といえば当然ですが。
なんとパット・メセニーのシャツは、まだ横縞ではありません。
ジョニはターコイズのスーツにパープルのシャツと
いかにもアーティストらしい色づかい。
ジャコは赤いシャツとバンダナ。
ジョニの左の胸もとに赤いカーネーションが差してあり、
ふたりの絆をさりげなく暗示しているように見えました。
後半、彼女はジャケットを脱いでしまうので、
ちょっと切なくなりましたが。
その後ジョニは『Chalk Mark In a Rainstorm』を
共同プロデュースしたラリー・クラインと結婚します。
この話を知ったとき「やっぱりベーシストか・・・」
と唸った記憶があります。
マイケル・ブレッカーのご冥福をお祈りします。
P.S
kentさんがとても観たかった作品だそうですので、
ちょっと早いですが3周年のお祝いとして
『あまるこるど』に謹んで進呈いたします。
というわけで、foreign Guinnessが入荷する頃にはお届けに参上の予定。
Posted at 01:59 | No Music No Life | この記事のURL | Clip!!

